いちご

小山市

篠原 和香子さん

いちご農家

6次産業化による多角化経営で
いちごの魅力発信

いちご農家にしか できないことをやりたい

念願だったいちごの専門店「いちご日和り」

50 年ほど前から続くいちごの専業農家。夫が 2 代目で 2013 年に法人化しました。現在は息子が社長を継いで、とちおとめ、とちあいかの2品種を 53a 栽培しています。6 次産業化を考えるきっかけは、「規格外のいちごを生かしたい」「完熟したいちごの美味しさを伝えたい」の2 点でした。パティシェの資格を取った娘の夢を叶える意味もあり、2017 年 6 月に旧国道4号沿いに洋菓子店「シェフレ」をオープンしました。

このとき、国の六次産業化・地産地消法に基づく「総合化事業計画」を申請し、認定されましたが、加工所等を整備する「6次産業化交付金施設整備事業」は採択されず、土地の取得費用から開業にかかる費用までを自己資金でまかない、苦しいスタートでした。その壁をなんとかクリアすると…。オープンと同時にお客さまが殺到し、店に設けた 20 席のイートインスペースも埋まり、仕込みが間に合わず、3 日後に臨時休業する羽目に。文字通り嬉しい悲鳴を上げることになりました。

洋菓子店は夏場の売り上げが落ちる傾向にあるので、「シェフレ」では他と違うことをやろうと考えて、イタリア製のジェラートマシーンを約 1,000 万円で導入し、いちごと県産の生乳を使い、なめらかでくちどけのいいジェラートを作ることに成功。いちごの味と香りが生きた目玉商品になりました。東京のカフェやレストランにも利用いただいています。

いちごの魅力を最大限に発信する店舗

新メニューの開発にも力を入れている

2020 年 11 月、いちごの専門店「いちご日和り」を小山市にオープンしました。圃場に隣接しているため、シーズンには朝採れのいちごを直売するほか、通年でいちごのケーキやジェラート、スムージーなどのスイーツを提供しています。

いちごの収穫が終わる夏場には、桃やパイナップル、メロンを使った商品も販売しています。例えば丸ごと桃が乗った桃パフェは土日で一日 50 個売れるほどの人気商品になっています。 お金をかけた宣伝は一切していませんが、口コミやスタッフが楽しみながら SNS へ投稿し、全国からお客さまが集まります。

スタッフのやる気を引き出し楽しく働ける職場を作る

働きやすく整備された、パック詰めの作業所

現在は、いちご栽培部門、加工部門、カフェ運営部門のスタッフを 20 人雇用。各部門には正社員を配置しています。私の役目は、それぞれの部門で個々の能力を引き出し、誰もが笑顔でやりがいを持って働ける職場環境を作ること。農業経営者として新たな知識や経営スキルを学ぶため、女性農業士の勉強会などにも積極的に参加しています。

これからやりたいことは、キッチンカーによる移動販売です。これまでイベント出店のお誘いをいただくたびに、スタッフが荷物の積み下ろしに苦労していました。専用のキッチンカーがあれば、作業が軽減できます。それから農家レストランにもチャレンジしてみたい。まだまだやりたいことがたくさんあります。現状に満足することなく、常に先を考えて一歩を踏み出す勇気が大切だと思っています。

設備への投資も積極的に行っている

これからの夢を笑顔いっぱいで語ってくださいました

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