米麦

足利市

桐生 さとみさん

米・麦農家

「女性農業士」「農業委員」として
農業に携わる人々の力でい続ける

就農のきっかけ

桐生さとみさん

クラシックバレエ歴30年。農繁期以外は週1を目標にバレエ教室に通っています。

面倒を見てくれた祖父の手伝いを続けて

実家は群馬県の太田市。両親は共働きで、幼い私たち姉妹の面倒を見てくれていたのは、米農家の祖父でした。小さいころから祖父を手伝い、足利市で建設業(のちに運送業に転換)を営む夫の元に嫁いだあとも家業の経理を担いながら、実家の田んぼを手伝いました。

草刈りなどをこまめに行う私の働きぶりを見ていた実家の近所の農家の方々から「うちの田んぼもやって」と声がかかるようになり、足利でも米作りをしていると、やはり同じように声をかけられ、今では足利市で4町歩、太田市で6町歩の田んぼで、冷めてもねばりやもちもち感があり、おいしく食べられる「ひとめぼれ」という品種の米と麦の栽培を行っています。

私のチャレンジ

ドローンの操作をする桐生さん

ドローンを利用した「スマート農業」に挑戦!

歳を重ね、しんどさを感じることが多くなりました。そこで考えたのが「スマート農業」の導入です。以前、ドローンを利用した農薬散布を見学しましたが「これは楽でいい!」と即決。それまではホースを引いて田んぼを歩き回っていましたが、ドローンがあれば体を動かすことなく、作業時間も大幅に短縮できます。

操縦免許は夫も一緒に取得。私はファミコンをやったことがなく操縦に一苦労。でもゲーム経験のある夫はあっという間に習得。このときほど「ゲームをやっておけば良かった」と思ったことはありません(笑)。結局、手元の操縦が少ない自動操縦のドローンを購入しました。

ほかにも、稲を刈りながら「今この田んぼはどのくらいの収穫量があるのか」「米の水分量はどれくらいか」などがわかるコンバインも購入し、作業の効率化や経費削減も行っています。

農業ってこんなところが面白い

毎年が勉強。「おいしい!」の声が聞けるからがんばれる

米は1年に1回しか収穫できません。10年続けても10回しか収穫できず、天候や台風などの影響もあって毎年出来が違います。だから毎年が試行錯誤しながらの勉強で「今年はどうだろう?」という楽しみがあります。

夏場の草刈りは、時々「なんでこんなことやらなくちゃいけないの!?」と思うこともありますが、すぐに気持ちを切り替えて「ウエストシェイプだ」と思いながら作業することもしばしば(笑)。

私は米をホテルやレストラン、介護施設、個人に直接販売しています。米を食べていただいた消費者の方から「米おいしいね」「冷めてもうまいよ」との声を多数いただき、それがとてもうれしく、どんな苦労も乗り越えられます。

将来の夢・目標

桐生さとみさん

農家を助け、米作りを行う女性の仲間を増やしたい

40年近く米作りを行ってきましたが、順風満帆というわけではありませんでした。そうした経験から「農業で困っている人の力になりたい」と、足利市の農業委員を務めています。相談を受ける事が自分の勉強にもなり、「農地相続がスムーズにできました」など感謝の言葉をいただけば「よかった!」と自分のことのようにうれしく思えます。

平成26年には「栃木県女性農業士」の認定も受けました。重責ではありますが、最新の情報にいち早く触れることができ、さまざまな勉強会や会議に出ることで、そこで見聞きしたことを農家さんたちに広め、農業に役立ててもらうというやりがいもあります。「JA足利女性会」という会にも加入しました。横のつながりを広げていくことで、もっと女性に米作りに興味を持ってもらい、一緒に米作りができる仲間を増やしていきたい。米作りは「女性でもできる」仕事ですから。

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