3人の子どもたちをのびのび育てたい
夫とは高校時代の同級生で、ふたりとも宇都宮市の出身です。結婚後は、夫は東京で造園業、私は埼玉県内で看護師として働いていました。子どもが男の子3人になったのをきっかけに、のびのび子育てしたいという想いが募り、たけのこと栗を生産する夫の実家、若山農場へ戻りました。
私は看護師の仕事を続ける傍ら、繁忙期に農場の手伝いをしていましたが、2015年に義父が亡くなり、2017年、農場の法人化を機に本格的に農場経営に参画しました。東京ドーム5個分に相当する農場を維持するために借金を抱えながらも、研究肌の義父を支えてきた義母の姿を見て、この農場を子どもたちに継承していくために、自分も力になりたいと思ったのです。

東京ドーム5個分に相当する農場を子どもたちにつないでいきたいと語る
生産農場から観光農場へと変貌を遂げる
法人化してから10年以内にカフェを開きたいと思っていました。農場を訪れる方々から「食事やお茶ができる場所が欲しい」という声が多く寄せられていたからです。そこで2022年4月にカフェをオープンしました。
しかし初めての飲食店経営は人事管理やメニュー構成、料理の内容などなど課題が多く、スタッフとのコミュニケーションの取り方が難しく感じました。ようやく穏やかな笑顔が見られるようになったのは最近です。
春はたけのこ、夏はブルーベリー、秋は栗、冬は竹林のライトアップと年間を通して観光資源を活用し、旅行会社のツアーや、インバウンド客の受け入れも増加中です。
竹林では、土日祝日に竹の器で抹茶を提供し、器はお持ち帰りいただけます。これまで廃棄していた竹を活用した器は人気で、一日平均200杯、GWには600杯も売れました。今ある資源をどう生かすか、25名のスタッフと情報共有しながら、現場を回すために、看護師としてチーム医療に携わってきた経験が活きていると感じます。

ずっと夢だった待望のカフェをオープン。メニューにもこだわりが詰まっている

竹だけではなく栗も重要な資源
カフェのメニューやおみやげ商品の開発にワクワク
もっとおみやげのアイテムを増やしていきたいと考えています。ひとつひとつの商品にこだわりがあるため難しさもありますが、お客様から「もっといろいろと買いたい!」といううれしい声をいただくので、可能性は広がるばかりです。おみやげ品として喜んでいただけるよう、中身からパッケージデザインまで企画段階から挑戦しています。スーツケースに収まるサイズの商品がニーズにぴたりと合ったときは『やった!』と思いました。
また、2人の息子が海外で農業に関わる仕事をしており、日本の伝統文化への関心も高いようです。後継者となったとき、どんな展開を見せてくれるのか楽しみでもあります。

お客様の声を聞きながら商品開発にも注力する
「来てよかった」の声が聞きたくて
たけのこと栗という農産物を基本に、長年守り続けてきた竹林をベースに、観光ビジネスが広がっています。映画「るろうに剣心」を始め、TVのCMの撮影地としても活用され、農場の可能性はさらに広がりました。トイレ設備を整えたことで、入場料をいただける施設になり、農産物と観光の売上比率は現在3対7ほどです。
「竹林を歩いて気持ちよかった」とか「こんな大きな栗があるんだ」「来てよかった」-そんなお客様の声を聞くのが何より嬉しいです。特にインバウンドのお客様は竹林や竹製品、竹の資料館に大きな興味を持ってくださいます。ここで働くスタッフとお客様が気持ちよく過ごせるよう、気配りすること、それが私の生きがいです。

守り続けてきた資源を元に、たくさんの方々によろこんでもらいたいと語る